売上データを“曜日別”に分けると見えること

曜日ごとに売上が違うのは当たり前？

「今月は売上がよかった」「最近ちょっと落ち込んでいる」──そんな風に売上を“月単位”でざっくり把握していませんか？もちろん、月単位の管理は大切ですが、もう少し細かく見ることで、実はもっと深い気づきを得ることができます。それが「曜日別データの活用」です。

曜日によって売上に差が出るのは、ごく自然なことです。人は生活リズムに沿って行動しており、それはお店の利用にも反映されます。たとえば月曜日は「リセットの日」で動きが鈍く、金曜日や土日はレジャーや買い物に使われがち。こうした傾向を“感覚”ではなく、“データ”で把握することで、より現実的な対策が立てられるようになります。

まずは一度、過去1か月や3か月の売上を曜日別に並べてみましょう。数字を見るだけで、「あれ、意外と水曜日に強いな」「土曜日の割に売上が低いかも？」といった発見があるはずです。

強い曜日・弱い曜日を知ると戦略が立つ

曜日別に売上を分けてみると、店舗によって“強い曜日”と“弱い曜日”がはっきり見えてきます。たとえば、美容系のサービスなら土日が強い一方、平日の夕方に安定している店舗もあります。飲食店なら金曜の夜がピークかもしれません。

この“波”が見えると、戦略も立てやすくなります。売上が安定している曜日には、広告やキャンペーンを控えめにしても問題ありません。その代わり、集客が弱い曜日にピンポイントで対策を打つのが効果的です。

たとえば火曜日の来店が少ないなら、「火曜限定ドリンク1杯無料」「平日限定クーポン配布」といった動機づけが有効です。逆に、強い曜日にはオプションメニューを増やすなど、単価アップの工夫をするのも良いでしょう。

全体の売上を“底上げ”するには、平均点を上げるより、低いところを引き上げる方が効果的。データに基づいた“曜日別戦略”を取り入れると、ムダな広告費も減り、自然と利益率も改善されていきます。

曜日別分析はリピートにもつながる

曜日別の売上データは、「いつどんな人が来ているか」という顧客傾向のヒントにもなります。たとえば、平日の昼間に来店が多ければ主婦層が中心かもしれませんし、金曜の夜が強ければ仕事帰りのビジネスパーソンが多い可能性があります。

このように曜日によって来店動機や属性が異なるとわかれば、それに合わせたメニュー構成や接客スタイルも検討できます。たとえば、金曜日は「1週間おつかれさま限定メニュー」、水曜は「ゆるっと休息Day」としてアロマや静かなBGMを導入するなど、曜日別の“体験設計”をすることで、顧客の満足度を高めることができます。

さらに、「毎週水曜に行くと落ち着く」「金曜はここでリフレッシュ」といった習慣づくりにもつながり、リピーターを育てるきっかけにもなります。

まとめると

売上データを曜日別に分けてみると、これまで見えていなかった“行動のパターン”や“戦略の糸口”が浮かび上がります。感覚で動くのではなく、数字に基づいて動くことで、より確かな一手を打つことができます。

まずは、自店の売上を曜日ごとに整理してみることから始めてみましょう。そこには、あなたのサービスをもっと良くするためのヒントが、きっと隠れています。