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Databricks Lakeflow Declarative Pipelinesとは何か?(前編)

  • 執筆者の写真: mellowlaunch
    mellowlaunch
  • 2025年8月27日
  • 読了時間: 4分

学習対象の分析について説明

Databricksは近年、データエンジニアリングやAI/ML領域におけるワークフロー自動化をさらに推進するために「Lakeflow」という新しい仕組みを発表しました。その中核となるのが Declarative Pipelines(宣言的パイプライン) です。これまでのETLやELTパイプライン設計では、開発者やデータエンジニアはSparkやSQLを駆使して「どのように処理を行うか(How)」を詳細に記述する必要がありました。例えば、どのテーブルを読み込み、どのトランスフォーメーションを適用し、どのストレージに書き込むかを明示的にコードで定義していきます。

しかしDeclarative Pipelinesのアプローチは異なります。ユーザーは「どのデータを最終的に欲しいか(What)」を宣言するだけでよく、実際の処理の細部や実行順序、並列化、失敗時のリトライといった制御は基盤側が自動的に最適化します。これはSQLにおける宣言的クエリの思想と同じであり、利用者は「SELECT で欲しい結果を指定する」だけで、どのインデックスを使うかや結合戦略を考えなくても、エンジンが最適に実行してくれるのと同じです。

このモデルを導入することによって、エンジニアは複雑なワークフロー制御コードを書く負担から解放されます。特に、データソースが複数あり、それらを統合してレイクハウスに流し込むシナリオでは効果が大きくなります。従来はAirflowや自作のジョブスケジューラを駆使して依存関係を管理する必要がありましたが、Declarative Pipelinesでは依存関係そのものもデータフロー定義の一部として宣言でき、基盤側が自動で解決します。

さらに、DatabricksのLakeflowはDelta Lakeのトランザクションログと組み合わさることで、ACID特性を保証しつつ、複雑な更新やマージも安全に実行できます。これにより、データが欠損したり二重登録されたりするリスクを大幅に減らすことが可能です。

総じて、Declarative Pipelinesの学習対象は「データ処理の方法論そのものを単純化し、成果物の品質と生産性を高める」点にあります。これを理解することは、今後のDatabricks活用において極めて重要なスキルとなります。

ユースケース

Declarative Pipelinesの強みは、実際の現場でどのように活用できるかを考えることで理解が深まります。代表的なユースケースをいくつか紹介します。

1. マーケティングデータの統合

企業では、広告配信プラットフォーム、Web解析ツール、CRM、メールマーケティングシステムなど、膨大なマーケティング関連データを扱います。これらは構造も更新頻度も異なるため、従来はETL処理が複雑化しがちでした。Declarative Pipelinesを用いれば「広告データとCRMの顧客データを結合し、日次で集計テーブルを作成する」と宣言するだけでよく、依存関係や再実行の制御はLakeflowが面倒を見ます。結果として、キャンペーン分析やLTV予測の基盤が短期間で構築可能になります。

2. 金融機関における不正検知

金融業界ではリアルタイムで大量のトランザクションを処理し、不正利用を検出する必要があります。Declarative Pipelinesでは、「トランザクションログを取り込み、不審なパターンをルールベースで抽出し、結果を監査テーブルに書き込む」という宣言を行えば、Lakeflowが依存関係を解決して安定稼働するパイプラインを自動的に構築します。これにより、不正検知アルゴリズムの更新やデータソースの追加もスムーズに行え、運用負荷を最小化できます。

3. IoTデータのリアルタイム分析

製造業や物流業ではIoTセンサーから膨大なストリーミングデータが生成されます。これらを従来のワークフローで処理すると、バッチ処理とストリーム処理の組み合わせを細かく調整する必要がありました。Declarative Pipelinesを使うと「センサーデータを取り込み、異常値をフラグ付けし、リアルタイムダッシュボードに反映する」といった処理を宣言的に定義できます。これにより、工場の稼働状況監視や異常予兆検知のシステムを迅速に構築できます。

4. データマートの自動生成

多くの企業では、データレイクに保存された大量のログや取引データを部門ごとのデータマートに変換する必要があります。Declarative Pipelinesを用いれば「売上データを集計し、部門別のKPIテーブルを毎朝生成する」といったタスクをシンプルに宣言するだけで済みます。これにより、データエンジニアはSQLの複雑なジョブスケジューリングから解放され、ビジネスサイドは安定的に最新の指標を利用できるようになります。

まとめると(前編)

Databricks Lakeflow Declarative Pipelinesは、「どのように処理するか」ではなく「何を得たいか」を記述することで、データパイプラインの開発・運用を大幅に効率化する新しい仕組みです。従来のジョブ制御の煩雑さを解消し、宣言的にデータフローを定義できるため、複雑な依存関係やスケジューリングを意識せずにデータ処理が可能になります。

マーケティング、金融、不正検知、IoT、データマート生成など、幅広いユースケースで効果を発揮し、データ基盤をより迅速かつ堅牢に構築する助けとなります。後編では実際の実行コードの流れや特徴を解説し、どのように導入・活用できるのかをさらに具体的に見ていきます

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