AI時代に“選ばれる”個人事業主の共通点とは

ChatGPTをはじめとした生成AIの登場により、私たちの働き方や価値の提供のしかたが急速に変わりつつあります。大量の情報が誰でも作れる時代に、「誰にお願いするか」「誰のサービスを選ぶか」が、より重視されるようになってきました。

では、このような時代において“選ばれ続ける”個人事業主には、どんな共通点があるのでしょうか。私自身の観察や経験をもとに、3つのポイントをご紹介します。

1.「顔が見える」発信をしている

AIによる情報発信があふれる中で、意外と大事なのが“人間らしさ”です。SNSやブログ、ホームページなどで「どんな人がどんな想いでサービスを提供しているか」が伝わると、お客様との距離がぐっと縮まります。

たとえば、サービスの裏側をちょっと紹介してみたり、日々のちょっとした気づきをシェアしたり。ときには悩みや失敗談も、共感を生む大切なエピソードになります。「この人にお願いしたい」と思ってもらえるきっかけは、スペックや実績だけでなく、人柄やストーリーにあるのだと感じています。

顔を出すことに抵抗がある人もいるかもしれません。でも「顔を出す」＝「写真を載せる」だけではありません。文章の語り口、選ぶ言葉、紹介されるエピソード──そこに“その人らしさ”がにじんでいれば、それは立派な「顔が見える発信」です。

2.「比較されない強み」を育てている

AIがどれだけ進化しても、“あなたらしさ”まではコピーできません。商品やサービスの内容が似ていても、「この人だからお願いしたい」と思われる背景には、“比較されない強み”があることが多いです。

その強みは、過去の経験、考え方、こだわりの積み重ねによって生まれます。たとえば、美容師さんが「どんな想いでサロンを開いたのか」を語るだけでも、価格競争とは無縁の世界が立ち上がります。

選ばれる個人事業主は、自分の“物語”を自覚していて、それを丁寧にサービスに落とし込んでいます。「この人にお願いしたい」と感じてもらうには、他人と比べるのではなく、自分だけの軸を見つけて育てていくことが大切です。

3.「AIを使う側」にまわっている

「AIに仕事を奪われる」と言われがちなこの時代。でも、選ばれる人たちはむしろ、AIを積極的に“使っている”側にいます。

たとえば、ChatGPTでブログのたたきを作ったり、LINE自動応答で予約受付を効率化したり。時間を節約し、そのぶんお客様との対話やサービスの質向上に力を注いでいます。

大切なのは、AIに“代替される”ことを恐れるのではなく、“どう使うか”を考えること。苦手な作業をAIに任せて、自分が本当に注力したい仕事に集中できるようにする。その姿勢こそが、変化に強いフリーランスの土台になるのだと思います。

まとめると

AI時代に選ばれる個人事業主に共通するのは、「自分らしさを言葉にできること」と「変化を味方につけていること」です。

顔の見える発信、小さくても“比較されない強み”、そしてAIを使いこなす柔軟さ──そうした姿勢が、これからもお客様との信頼関係を支え、選ばれ続ける理由になるのではないでしょうか。

流れが大きく変わる今だからこそ、自分の在り方を見つめ直すチャンスかもしれません。